切削実験内容

低剛性工具によるコバールの切削実験

■びびり振動の様子

びびり振動の程度は、切削音と、FFTアナライザによる切削力の周波数分析結果から判断した。
コバールの切削では、工具摩耗が激しいため、ほぼ3条件毎に刃先を交換した。
単一周波数のびびり音(ピー音)は聞こえないが、ゴリゴリあるいはガリガリ音が発生する。


突き出し長さ 30mm

40m/min 送り mm/min
0.020.050.1
切込
mm
0.05 × ×
0.1 ×××
0.2 ×××
60m/min 送り mm/min
0.020.050.1
切込
mm
0.05
0.1
0.2
80m/min 送り mm/min
0.020.050.1
切込
mm
0.05 ×
0.1 ×
0.2 ×
強いびびり
びびりあり
弱いびびり
×びびりなし


■切削力

びびりがあるかどうかは別として、コバールは切削力が安定しない。
下記に切削中の加工力の時間変化を示すが、40m/minでは、加工開始後、切削力が低下し、
最終的に数分の1になる。このような状況では、直径の変動も懸念される。
変動という点では、60m/minの波形が最も安定している。

コバールの切削力

■仕上げ面粗さ


送り0.02mm/revでは、切込0.2mm、60m/minのとき粗さが最小になった。

仕上げ面粗さ

プロファイルを下図に示すが、ツールマークとは無関係に、ランダムな凹凸が観察される。
これらのグラフは、全て送り0.02mm/revのプロファイルなので、ツールマークは0.02mmピッチになる。
このツールマークとは別に、0.1〜0.2mmピッチで、ランダムな凹凸が存在する。

プロファイル


■刃先の状態

チタンと比べると刃先の摩耗は激しい。
下図の上段はチタン合金、下段はコバールを切削した刃先の画像。
明るく輝いている帯状の部分が、逃げ面摩耗である。
コバールはチタンに比べ、頻繁に刃先を交換しているにもかかわらず摩耗が大きい。
刃先画像