平成10年度見学会

1998.10/6〜10/7

1.日程および見学先

日程および見学先
概       要

三菱マテリアル(株)
(茨城県結城郡石下町)
平成10年10月6日(水)

工具関連中心の見学およびレクチャー

○工場見学
  工具製造過程、焼結から研磨まで
○レクチャー
  最近の切削加工と工具について

埼玉県工業技術センター
(埼玉県川口市)
平成10年10月7日(木)

冷風切削関係を中心とした見学

○冷風切削関連技術
  冷風切削実験見学、装置見学
  冷風切削に関するレクチャー

○ELID研削技術
  ELID研削による自由局面研削システム

○浮揚熔解技術
  浮揚溶解実験装置の見学

2.内容

(1)三菱マテリアル

 ・工場見学

 焼結工具の製造工程を見学した。Co,WC,TaC,TiCの粉末をプレスで固め、焼結を行い、必要に応じ加工やコーティングを行って検査し出荷する工程である。工場ではTPM活動に力を入れており、熱心な活動記録が展示されていた。その成果のひとつであろうが非常に清潔な工場であった。
 製品の全品目視検査を行うなど、自動化の難しい工程が多いとの話であったが、工場内を走る自動搬送車や自動倉庫による製品管理も印象に残った。

 ・最近の切削加工と工具に関するレクチャー

 技術顧問の狩野氏よりレクチャーを受けた。それによれば21世紀への課題として特に次の3点があるとのこと。
  1)ハード   難削材加工
  2)ファースト 高速切削
  3)ドライ   ドライ切削
 特に、高速切削に関して、欧米では400m程度の切削速度が一般的であるのに対し日本では200m程度が主流であり、これは切削に関する文化の違いとも言えるが、日本はまだそれだけ効率向上の余力があるはずだ、という言葉が印象的であった。

(2)埼玉県工業技術センター

・冷風切削技術

 冷風切削および研削に関する研究発表を伺ったあと、実際の冷風切削および研削加工の様子を見学した。
 研究発表からは地道なデータを採取しながらの研究の様子が窺われた。また実際の見学により、冷風の噴射による騒音、冷風装置の価格およびサイズなど、現場でしか実感できない問題点もわかった。工具寿命なども含め、湿式と同程度の実用性の実現にはまだしばらく時間が必要かもしれない。

・浮揚熔解技術

 ふたつのコイルを内蔵する坩堝に金属材料を入れ、コイルに流す電流の誘導により金属材料を発熱させると同時に浮揚させ、融解させる装置を見学した。浮揚させて坩堝との接触を断つので伝導による熱損失を押さえられ、高温にする事が出来るなどの特徴がある。

・ELID研削による自由局面生成技術

 ELID研削は一般には、平面・円筒・球面の生成に用いられるが、プロファイル研削盤を利用して自由局面の生成を行うという研究について、装置を見学し説明を受けた。

3.所感

 環境という視点から、話題の冷風切削・研削を中心に見学を行ったが、実用的に使うまでにはまだしばらく時間がかかるのではないかという印象を受けた。装置の進歩に期待するところが大きい。しかし切削油剤を拭き取ったウエスの焼却がダイオキシンの発生に結びつくなどという話も伺え、参加各企業においても見過ごしにしているわけにはいかない問題であると実感できたと思う。
 また、三菱マテリアル・工業技術センターのどちらでもレクチャーの時間を設けたが、単に見学する以上に参考になった。

 

参加者 平成10年度の見学会にご参加いただいた皆様

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